大都会が広がる新宿区は、実はたくさんの和の魅力があふれています。
江戸時代からの伝統工芸や、おいしい和菓子や和食、お茶文化など、
脈々と受け継がれる新宿区の和を訪ねました。
江戸の人々の着物をつくるために多数存在した染色業者。そのひとつが、早稲田に残っています。1914(大正3)年の創業より、東京染小紋(そめこもん)と江戸更紗(さらさ)を制作。伝統的な技法を守り、江戸っ子が好んだ粋を現在に伝えます。工房では体験も可能で、小紋の型付けなどに挑戦できます。
「お茶の心を伝える」を社是として、戦前に高田馬場に創業したお茶の専門店。全国から選りすぐりの日本茶を取り揃え、百貨店などで販売するほか、航空機でのサービスや宮内庁でも愛飲されています。また、新しい日本茶の楽しみ方としてお茶のスイーツも展開しています。
江戸染色の技法を受け継ぎ、伝統を守りながら新しい取り組みにも挑戦し続ける染色工房。訪れる方々に江戸染色に触れる機会を提供するほか、着物の反物を利用し、日本だけではなく海外にも目を向けた商品を展開しています。
1920(大正9)年の創業以来、さまざまな染物を手掛けてきた工房。職人が作品を仕上げていく様子は、見ている方も思わず息を呑む繊細さです。同じ工房内で、体験することができます(要予約)
江戸小紋や江戸更紗を樹脂に挟んだストラップや、反物の生地をそのまま生かしたがま口など、染物の新たな表現をかたちにした雑貨が多数
今年創業80周年を迎えた、神楽坂の和菓子店。店内にはさまざまな和菓子が並び、選ぶ楽しみをかき立てます。体に優しい和菓子を追求し、国産の素材を無添加で仕上げることにこだわっています。定番銘菓も季節の生菓子も一つひとつが繊細なおいしさと評判です。
4代目の井上豪さんは、新宿ものづくりマイスター・技の名匠に認定されています。特に難しい「はさみ菊」の技術に定評があります
季節の移ろいを味わい深く、美しく表現する日本料理店。代々受け継いだ技と心で手掛けた伝統の日本料理は、大切な方との会食に最適です。大小の個室があるほか、1階の椅子席では手軽にランチセットを、地階では車屋流にアレンジしたフランス料理を堪能できます。
[ランチ] | 11:30~14:30 | ||||||
[ディナー] |
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特選点心 5,400円(税込)
食材の目利き、味、盛り付けのバランスの全てにおいて日本料理の伝統を重んじながら、新しい感性も取り入れています
関西割烹を基本に、革新的な工夫を料理に施す割烹。現店主・中嶋貞治さんの祖父は、北大路魯山人が主宰した茶寮の初代料理長を務めた方。現店主は、魯山人創案の料理を継承しながらも、積極的に新しいアプローチや技の普及に取り組んでいます。ランチはいわし料理のみで、驚くほどリーズナブル。
営業時間: | [ランチ] | 11:30~14:00 |
[ディナー] | 17:30~21:30 |
いわしの刺身定食 800円
天然のいわしを丁寧に仕込んだ一品。リーズナブルなランチといえど、プロの技を惜しみなく駆使した絶品料理です
全国各地で選び抜いた茶道具を販売する、創業86年のお店。3つの茶室を完備し、さまざまな茶事を開催しています。和のコンシェルジュが出張し、イベントのお手伝いもします。椅子に座って抹茶をいただける立礼席もあり、初心者の方も気軽に茶道を体験できます。また、ギャラリーでは、一流の茶道具の展示を見ることができます。
元は徳川御三卿の清水家の屋敷であった回遊式庭園。池の周りの木々や季節の花が、都会にいることを忘れさせます。池に湧く水がお茶に適していたことから、「甘泉園」の名が付いたそうです。つぼみが花を開く春、新緑の葉が茂る夏、季節の訪れを感じながらゆっくり歩いてみましょう。
開園時間: | [3~10月] | 7:00~19:00 |
[11~2月] | 7:00~17:00 | |
※日本庭園部 |
1969(昭和44)年から、区立公園唯一の回遊式庭園として人々に親しまれています
東京に残る4軒の落語定席のひとつが、新宿3丁目に。都内で唯一の木造建築の定席で、江戸時代に人々が熱中した寄席の風情を現在に伝えます。落語を中心に、漫才、曲芸といった各種演芸が、終始観客を沸かせます。
営業時間: | [昼の部] | 12:00~16:30 |
[夜の部] | 17:00~21:00 |
新宿区の地域文化財に認定されている神楽坂の芸妓が、芸事を披露する公演会。芸妓の美しい舞や唄を楽しむことができる、貴重な機会です。ぜひご観覧ください。
※都合により、平成28年度の開催はお休みといたします。